手術はすべて局所麻酔下に行います.切除法は、開放療法(くり抜き法)、単純縫縮、巾着縫合,CO2レーザーなどを状況に応じて使い分けます。下表のようにそれぞれに長所短所がありますのでよくご理解の上受けて下さい。切除した組織は原則として病理検査提出をお勧めしています。
※当院では単なる整容目的でのほくろ切除は自費診療でも行っておりません。ご希望の方は後輩のクリニックを紹介します。
切除方法 | 切除縫合 | 開放療法 | CO2レーザー |
保険適応 | 可 | 可 | 一部不可 |
治療可能サイズ | 制限なし | Φ5mmまで | Φ5mmまで |
病理検査 | 可能 | 可能 | 隆起したものは可能 |
治癒期間 | 約1週間で抜糸 | 2~4週間 | 2~6週間 |
再発の可能性 | ほとんどなし | ほとんどなし | あり |
←右頬に1mmのホクロ。ダーマスコピーにて悪性は否定的なため「保険適応なし」と判断しました。患者さんは切除希望でしたが、現在当院では整容目的でのホクロ切除は行っていません。ご希望であれば近くで切除可能な施設を紹介します。
<代表症例>
(平均的な結果を示します.結果には個人差や部位差があり,症例よりきれいになることもあれば目立つこともあります)
下あごのホクロを切除し、単純縫縮.術後1週で抜糸.
始めは赤みやしこりを感じますが徐々に改善します.この症例では術後4か月で安定しました.
頭皮にできた隆起性の母斑。全層で切除縫合すると傷跡(瘢痕)がハゲます.再発のリスクはありますが,ぎりぎり毛根を残して隆起部分のみ切除します.直径5mmくらいなら1週間,直径1cm以上なら治癒までに6週間くらいかかりますが,治るころに傷跡から毛が生えてきます。
左の症例は直径7mmの隆起性母斑.切除後2週間で治癒.手術部位から発毛を認めます.
鼻下(上口唇)直径6mmの母斑.丸くくり抜いた後に「巾着縫合」としました。10日後に抜糸。抜糸直後は赤みがあり、中心部が凹んでいましたが、3カ月後には赤みも消失しました。
①鼻翼直径8mmの母斑.
②単純に「切除縫合」としました.
③術後問題なく経過し10日後に抜糸.写真は2か月後.
頬(ほうれい線)の母斑2個.メスでくり抜いたあとCO2レーザーで焼灼止血,開放療法としました.約2週間で治癒しています.赤みは3~12か月程度続くことがあります.
下まぶた(瞼縁)の母斑.表面麻酔薬を点眼したのちチタン製シールドで眼球を保護し,母斑を切除.CO2レーザーで焼灼止血したのち開放療法としています.約2週間で治癒.浅く切除すると再発しやすくなります.逆に深く切除するとまつ毛が生えなくなったり,眼瞼縁が欠けたりするリスクがあります.
顔などの大きな母斑では,キズの長さを最小限にするために分割切除をします.初回はできる限り切除し,凹凸ができても皮膚割線に沿うように縫合します.2回目は症例によりまちまちですが,3か月~1年はあけます.術後テープで抑えますが多少広がります.この症例では2回で取り切れました.
手術時間 | 10分ー30分(部位,難易度によってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
5,000円ー9,000円(露出部2cmまでの場合.病理検査の有無,部位によりかわります) 10,000円ー15,000円(露出部4cmまでの場合) |
術後の通院 | ①手術翌日(合併症のチェック.不要なことも多い)②抜糸(1ー2週間後)③経過観察と病理結果説明(3-4週間後) |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染),出血,創離開,ケロイド,肥厚性瘢痕あるいは陥凹瘢痕,色素沈着あるいは脱失,埋没糸露出,神経損傷,血管損傷,再発,麻酔アレルギーなど |
粉瘤は顔や背中に多くできます。
中心に詰まった毛穴があるのが特徴ですが、ないこともあります。
小さければ自然に無くなることもありますが、私の経験上、5mmを超えると自然に消える可能性は少なく、徐々に大きくなるか、膿んできます。つまりある程度大きくなったら、膿む前に袋ごと摘出するのが賢明だと思います。
←手術動画がご覧いただけます.苦手な方はクリックしないで下さい.
(18歳以上に限定しています)
化膿してないければ,袋ごときれいに摘出し,キズを縫い合わせます.出血の状態によってドレーン(血抜きのチューブ)を留置します.チューブが抜ければ抜糸まではご自宅で処置できます.1~2週後に抜糸して終了です。
他院では「くり抜き法」を基本としていることもありますが,大きい粉瘤だと凹んでしまうことがあります.また切除縫合に比べて再発しやすいと思います.頬の中心や口囲などキズが目立つ部位にはこの方法を使うこともあります.
「切開排膿」処置を受けたあとどうなるか?
↓↓3通りの経過をたどります↓↓
いったん膿むと、軽度の場合は抗菌薬で経過をみることもありますが、多くの場合は局所麻酔下に「切開排膿」が必要になります。
他院では切開したキズの中にガーゼを詰め、ほぼ毎日通院してガーゼを交換するところもありますが、当院では週1回程度の通院で結構です。キズの中にガーゼを詰めることはほとんどありません。
化膿が落ち着いたら上の写真のように「化膿していない粉瘤」として,改めて袋の残骸を取る手術をします。つまり膿むと、痛いし、通院も大変、2回手術料がかかり、醜いキズを残しやすくなります。
粉瘤は毛穴のない手のひらや足の裏にできることはありませんが、例外的にイボやケガなどで表皮がめり込むと粉瘤を生じます。
「目」があり痛みを伴うのでウオノメとの鑑別が必要です。
足底の粉瘤では,手術せずに摘出する方法も可能です.詳細はお問合せ下さい.院長の論文が海外医学ジャーナルに掲載されています.
(Morioka D, Nonsurgical enucleation of plantar epidermal cysts using salicylic acid plaster. Dermatol Ther 2020; e13879)
手術時間 | 10分ー60分(部位,大きさ,難易度によってかわります) |
手術費用の目安(保険3割負担として自己負担分) |
約2,000円(切開排膿処置) 5,000円ー9,000円(露出部2cmまでの場合.病理検査の有無,部位によりかわります) 10,000円ー15,000円(露出部4cmまでの場合) |
術後の通院 | ①手術翌日(合併症のチェック.不要なこともあり)②抜糸(1ー2週間後)③経過観察と病理結果説明(3-4週間後) |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染),出血,創離開,ケロイド,肥厚性瘢痕あるいは陥凹瘢痕,色素沈着あるいは脱失,埋没糸露出,神経損傷,血管損傷,再発,麻酔アレルギーなど |
粉瘤と混同されやすい腫瘍。化膿することはありません。粉瘤との鑑別点は皮膚との癒着があるかないか。四肢にできるものの多くは被膜に包まれていてプリっと出てきます。一方、体幹にできるものは、被膜形成に乏しく、周りの皮下脂肪と境界不明瞭で手術に時間がかかり、完全摘出が難しい場合もあります。重要な神経や血管を巻き込んでる場合は深追いせず、部分切除にとどめることもあります。
体中に多発する場合もあり、「多発性脂肪腫症」と呼ばれますが、その多くは病理学的に「血管脂肪腫」というやや血管成分に富む脂肪腫で、自発痛や圧痛を伴います.
術前には近医でMRIもしくはCTを撮っていただきます.深さ大きさを確認して手術を決めますが,重要な神経血管筋肉に絡んでいる場合は,総合病院へ紹介します.良性ですから経過観察という選択枝もあります.
肩甲部の皮下脂肪腫.深脂肪層に存在し,一部筋肉にめり込んでいます.最も多いタイプ.
背部.広背筋の筋肉内に存在する脂肪腫.筋肉を一部切離して摘出します.広背筋や僧帽筋は部分的に切離しても機能的な問題は起こりにくいので,当院でも手術可能です.
当院では「チューメッセン法」という特殊な局所麻酔法で脂肪腫を摘出しています.これは薄い麻酔薬を脂肪腫そのものにたくさん注入して脂肪腫を膨らませて取るという方法で,大きな脂肪腫も外来手術で摘出することができます.
当院では最大23cm(子供の頭くらい)の脂肪腫を約80分で摘出することができました.2016年に英語論文にまとめています.
額の脂肪腫の多くは前頭筋の下にあり,骨膜にへばりついています.神経血管損傷のリスクを減らすため,手技的には難しいですが極力生え際に近い位置で切開します.
手術時間 | 10分ー2時間(部位,大きさ,難易度によってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
5,000円ー9,000円(露出部2cmまで,露出部以外3cmまでの場合.部位によりかわります) 10,000円ー15,000円(露出部4cmまで,露出部以外6cmまでの場合) 15,000円ー30,000円(露出部4cmを超える場合,露出部以外6cmを超える場合) 25,000円ー30,000円(大きさに関わらず筋肉血管神経に及ぶ場合) |
術後の通院 | ①手術翌日(合併症のチェック.ドレーン抜去)②抜糸(1ー2週間後)③経過観察と病理結果説明(3-4週間後) |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染),出血(血腫),漿液腫,創離開,ケロイド,肥厚性瘢痕あるいは陥凹瘢痕,瘢痕拘縮,色素沈着あるいは脱失,埋没糸露出,神経損傷,血管損傷,筋損傷,再発,麻酔アレルギーなど |
石灰化上皮腫は毛母由来の皮膚良性腫瘍で,10代に多く見られます.当院に来られる小児のできもののほとんどがこれです.小児では顔にできることが多く,成人では四肢に多く見られます.通常は1-2cmの固い腫瘤として触れ,虫刺されや外傷がきっかけとなる場合もあります.自然治癒することはなく,化膿する場合もあるため早めの手術をお勧めします.
手術時間 | 10分ー30分(部位,大きさによってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
5,000円ー9,000円(露出部2cmまで,露出部以外3cmまでの場合)
|
術後の通院 | ①手術翌日(合併症のチェック.不要なことも多い)②抜糸(1ー2週間後)③経過観察と病理結果説明(3-4週間後) |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染),出血(血腫),漿液腫,創離開,ケロイド,肥厚性瘢痕あるいは陥凹瘢痕,瘢痕拘縮,色素沈着あるいは脱失,埋没糸露出,神経損傷,血管損傷,筋損傷,再発,麻酔アレルギーなど |
皮膚線維腫は褐色の皮膚良性腫瘍で,四肢に多く見られます.通常は数mm(まれに2cm程度)のごりっと硬い皮内結節として触れ,圧痛を伴うこともあります.虫刺されや外傷が原因になることがあります.まれに数年かけて退縮することがあると言われています.治療は外科的切除となりますが、境界が不明瞭なため完全切除の場合は思った以上にキズ(瘢痕)が長くなることがあるので、ご理解のうえ手術されることを勧めます.悪性化することはありませんが、隆起性皮膚線維肉腫やメラノーマなどの悪性腫瘍と紛らわしいこともあります.「キズも困るが悪性も心配」という場合は、一部だけ切除(組織生検)して良性なら様子見という選択枝もあります.
手術時間 | 10分ー30分(部位,大きさによってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
5,000円ー9,000円(露出部2cmまで,露出部以外3cmまでの場合)
|
術後の通院 | ①手術翌日(合併症のチェック.不要なことも多い)②抜糸(1ー2週間後)③経過観察と病理結果説明(3-4週間後) |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染),出血(血腫),漿液腫,創離開,ケロイド,肥厚性瘢痕あるいは陥凹瘢痕,瘢痕拘縮,色素沈着あるいは脱失,埋没糸露出,神経損傷,血管損傷,筋損傷,再発,麻酔アレルギーなど |
きずあと(瘢痕)の線維成分が過剰に増殖した皮膚の隆起性病変.ケロイドと肥厚性瘢痕は似ていますが下表のような違いがあります.治療法は保存的(非手術)および手術療法があり,下の表に示したように,学会が推奨するガイドラインに準じた治療方法を提案しています.いくつかの治療法を組み合わせることもあります.
ケロイド | 肥厚性瘢痕 | |
原因 | 不明.皮膚の損傷.遺伝傾向あり | 熱傷、外傷など |
人種差 |
アフリカ系>アジア系>コーカサス系 |
ケロイドほど顕著ではない |
自然発生 | あり | なし |
成長・増殖 | 拡大、増加などありうる | 隆起するが、元のキズを超えることはない |
側圧痛 | あり | なし |
関節拘縮 | なりにくい | なりやすい |
好発部位 | 下顎、頚部、胸部、肩甲部、恥骨部 | 関節付近に多いが、全身どこでもできうる |
治療法 | 特徴 |
圧迫療法 |
シリコンシートや包帯,ストッキングによる圧迫.四肢には適しているが胸肩には不適. |
ステロイドテープ | 弱めのドレニゾンテープ,強めのエクラープラスターの2種があります. |
ステロイド局所注射 |
ステロイド(トリアムシノロン)を月1-2回ケロイドに直接注射します. |
レーザー治療 |
ある程度の有効性が認められていますが保険適応なし.当院では行っていません. |
ケロイド内切除 |
ケロイドは全切除すると再発しやすいため,辺縁を残して切除します.いわゆる減量手術.当院でも行っていますが,多くの場合ステロイド局所注射と併用します. |
全切除+放射線治療 |
全て切除した数日後から放射線の一種である電子線を照射することで,再発を防ぐことができます.当院では行っていません.ご希望の方には大学病院などを紹介しています. |
加齢や紫外線などが原因となってできる皮膚の変化です.以前は「老人性いぼ」と呼ばれていましたが,早ければ20代から出現することもあるため,現在は「脂漏性角化症」と呼ばれます.
「悪性が疑わしい」など医学的に必要な場合は保険診療が可能ですが,多くの場合は「保険外診療」となります.
液体窒素で焼くことも可能ですが,取れた後に色素沈着や脱失を起こすことがあるため,局所麻酔下にCO2レーザーを使って除去します.下の写真のようにたくさんある場合は麻酔テープを使って数回に分けて除去しました.
手術時間 | 10分ー30分(部位,大きさ,難易度によってかわります) |
手術費用の目安(原則自費診療) |
1回3x5cm程度 10,000円ー15,000円(悪性が疑われる場合は保険適用) |
術後の通院 | ①1ー2週間後に経過観察 ②数回に分けて施術を受ける場合は2週間以上あけることが望ましい。 |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染),出血,ケロイド,肥厚性瘢痕あるいは陥凹瘢痕,色素沈着あるいは脱失,再発,テープかぶれ、麻酔アレルギーなど |
小さな傷から細菌が入り化膿すると、血管が異常増殖することがあり、「血管拡張性肉芽腫」と呼ばれます。
強めのステロイド軟膏で退縮することもありますが、多くの場合は局所麻酔下に切除し電気メスかCO2レーザーで止血し、開放療法とします。部位大きさによっては切除ののち縫合することもあります。
手術時間 | 10分ー30分(部位,難易度によってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
5,000円ー9,000円(露出部2cmまで,露出部以外3cmまでの場合.部位によりかわります)
|
術後の通院 | ①1ー2週間後に処置。②経過観察と病理結果説明(2-3週間後) |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染),出血,漿液腫,ケロイド,肥厚性瘢痕あるいは陥凹瘢痕,瘢痕拘縮,色素沈着あるいは脱失,再発,薬剤アレルギー、麻酔アレルギーなど |
血管腫は血管内皮細胞の腫瘍性増殖によるもので、血管奇形は血管が異常増殖するものと定義されますが、一般的に両者の区別なく「血管腫」と呼ばれます。
血管腫も血管奇形も、先天性のものと後天的にできるものがあります(下表参照)。前述した血管拡張性肉芽腫も血管腫として分類されます.
←加齢に伴う小さい血管腫は「老人性」と言われますが40歳以上であればほとんどの方はどこかにあります.左の写真くらいであれば治療の必要はありません.大きいもの,隆起して出血しやすいものは治療の対象になります.
代表的疾患 | 主な治療法 | 当院での治療 | |
血管腫 <先天性> | イチゴ状血管腫 | 経過観察,圧迫,レーザー,内服治療など | 経過観察と圧迫のみ.他は専門施設へ紹介 |
<後天性> | 老人性血管腫 | 小さいものは不要,大きいものは切除 | 可(切除縫合もしくはレーザー焼灼) |
化膿性肉芽腫 | 血管拡張性肉芽腫と同義 | 上記参照 | |
血管奇形<先天性> | 単純性血管腫 | レーザー治療 | 不可,専門施設へ紹介 |
<後天性> | くも状血管腫 |
レーザー治療,硬化療法など |
不可,専門施設へ紹介 |
静脈湖 |
レーザー焼灼,切除縫合 |
可 |
|
グロームス腫瘍 |
切除 |
可 |
手術時間 | 10分ー60分(部位,大きさ,難易度によってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
5,000円ー9,000円(露出部2cmまで,露出部以外3cmまでの場合.部位によりかわります) 10,000円ー15,000円(露出部4cmまで,露出部以外6cmまでの場合) |
術後の通院 | ①手術翌日(合併症のチェック.ドレーン抜去)②抜糸(1ー2週間後)③経過観察と病理結果説明(3-4週間後) |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染),出血(血腫),漿液腫,創離開,ケロイド,肥厚性瘢痕あるいは陥凹瘢痕,瘢痕拘縮,色素沈着あるいは脱失,埋没糸露出,神経損傷,血管損傷,筋損傷,再発,麻酔アレルギーなど |
いわゆる「巻き爪」と言われるものですが,2種類に大別されます.「陥入爪」は不適切な爪切り,靴などが原因で10代から高齢者まで幅広く見られ,化膿(爪囲炎)を起こしていることが多くみられます.一方「弯曲爪」は肥満者や高齢者に多く,歩き方が原因と思われます.どちらも,治療は「切らない」保存的治療が原則です.爪切り指導,テーピング,ワイヤ治療など行い,効果が見られない場合は手術を検討します.ただ爪が伸びるまで数か月かかりますので,痛みや炎症が強い場合は早めに手術する場合もあります.
爪母温存爪甲側縁楔状切除術
難しい手術名ですが,低侵襲で治癒の早い手術です.痛みの原因となっている爪を部分的に切除し,必要に応じて肉芽を焼きます.他の手術法に比べて再発率が高い(20%~50%)ですが,通常1~2週間で治るため,運動部所属学生や高齢者などが希望されます.
ガター法
ガター(gutter)とは側溝のことで,ボウリングのガターと同じ意味です.炎症が爪母まで及んでいない場合,爪の幅を小さくしたくない場合などにこの方法を用います.麻酔下に,炎症の原因となる側爪郭にシリコン製のチューブを挿入します.他院では接着剤などでチューブ固定しますが当院では糸で縫合固定します.症状に応じて2週から2か月くらい留置します.
↑フェノール法↑
↑根治術↑
指の根元にブロック注射をして、指1本に麻酔をします。そこまではどの手術方法も同じ。麻酔後、原因になっている爪の外側を取り、爪の根(爪母)をフェノールという薬品を使って腐蝕させます。肉芽があれば電気焼灼します。世界中でその効果が認められていて、再発率は5ー10%といわれています。若干化膿していても手術可能なのがフェノール法のいいところ。術後の痛みが少なく日常生活でも安静に気を遣うことはあまりありませんが、「ジクジク」が長く(1ー2か月)続くことがあります。最近はフェノールよりも治癒期間の短いトリクロル酢酸を使っています.
指の根元へのブロック注射はフェノール法と同じ。麻酔後、原因になっている爪の外側を取り、爪の根(爪母)も切除します。爪母を取り残すことなく切除できれば再発はほぼありません。フェノール法と違って創部は縫合します。約2週間後に抜糸します。爪母が感染している場合にはこの方法は行いません.私の経験上、再発率は約5%です。
手術時間 | 15分ー60分(難易度によってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
5,000円(肉芽切除,フェノール法など単純な手術) 10,000円(根治術など爪母爪郭形成を要する複雑なもの) |
術後の通院 |
①手術翌日(合併症のチェック)②1ー2週間毎の処置通院 ③縫合した場合は約2週で抜糸します ④フェノール法は通院期間が長引くことがあります. |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染,骨髄炎),出血,創離開(縫合した場合),再発,爪変形(細い爪になることが多い),麻酔アレルギー,薬剤アレルギーなど |
Pincer nail タイプの巻き爪では手術より形状記憶合金ワイヤーを用いた矯正を勧めます.保険適応外ですが,ワイヤーを独自ルート(医療用ではなくいわゆる巻爪サロン用ですが材質は同じ)で入手しているため格安で提供しています.
肉芽形成など炎症を伴っている場合でも施術可能です.
症例によっては完全に治癒することもありますが,ワイヤー矯正は「痛みや炎症を軽減させて手術を回避する治療」とご理解ください.症状が落ち着いたらワイヤーを取ります.症状が再燃してきたら治療を再開します.爪の切り方,歩き方,靴などの工夫で再発を防ぐように指導しています.
施術時間 | 5分程度(麻酔不要) |
施術費用(自費診療) |
1,000円(1趾あたり) |
術後の通院 | ①施術後2-4週(合併症のチェック)②その後は1ー2か月毎の再診で抜去か交換 |
術後合併症・リスク |
爪が割れたり,ワイヤーが取れることがあります.矯正が効いてくると端が飛び出て皮膚に刺さったり靴下に穴が開くことなあります.トラブルの場合は再診日を待たずにご連絡下さい.ワイヤー矯正を3ー6か月続けても治療効果が現れない場合は手術になることもあります. |
生まれつき耳に穴があいていることがあります.両親のどちらかにある場合もあります.穴だけで何事もなく一生過ごすこともありますが,多くは深いトンネルになっており耳介軟骨に達しています.
老廃物が溜まると化膿を繰り返す場合は手術が必要です.色素を注入してトンネル内部を染めてから,取り残さないように摘出します.
小児では全身麻酔下手術となりますが,10歳くらいになれば当院で局所麻酔下に摘出することも可能です.
手術時間 | 15分ー60分(難易度によってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
10,000円ー15,000円 |
術後の通院 |
①手術翌日(合併症のチェック,不要なこともあります)②1ー2週で抜糸します ③術後経過観察 |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染,軟骨炎),出血(血腫),創離開,再発,耳介変形,創部色素沈着または脱失,麻酔アレルギー,薬剤アレルギーなど |
先天的な耳の奇形や、柔道耳、ピアスによるトラブルにも対応しています。
ピアス後に化膿などが原因となって,ケロイドを生じることがあります.胸や肩に生じるケロイドと違って,耳たぶに生じたケロイドは単純に切除しても再発する可能性は低いと言われています.
立ち耳やコップ耳などは日本はじめアジア諸国では正常か,むしろ「かわいい」とみなされていますが,欧米や中東では「からかい」の対象になったり,忌み嫌われたりします.当院院長はパレスチナやイラクで多くの手術経験があります.
何らかの原因で,ピアス穴が裂けてしまうことがあります.多くの場合は修復できます.同時にピアス穴を作ることもできますので,ご相談下さい.
手術時間 | 15分ー60分(難易度によってかわります) |
手術費用の目安 (保険3割負担として自己負担分) |
6,000円ー20,000円(大きさ,難易度,皮弁形成などで変わります) |
術後の通院 |
①手術翌日(合併症のチェック,不要なこともあります)②1ー2週で抜糸します ③術後経過観察 |
術後合併症・リスク |
痛み,腫れ,化膿(創感染,軟骨炎),出血,創離開(縫合した場合),再発,耳介変形,麻酔アレルギー,薬剤アレルギーなど |
糖尿病は長期間治療を怠ると皮膚に様々な障害を引き起こします。代表的なものは壊疽です.
小範囲であれば外用薬で治療可能ですが,壊疽が進むと切断などの手術が必要になることもあります.
褥瘡(床ずれ)。通院が難しい患者さまには訪問診療も可能です。
湯たんぽや使い捨てカイロなどによる「低温やけど」は
「3度熱傷」になる場合が多く,特に下腿はキズが深くなるため治療にも時間がかかります。しばしば皮膚移植など手術が必要になります。
日本橋時代から私のところには、就職や結婚など様々な理由で刺青切除をご希望の患者さまが来られます。
手術費用に適切な「相場価格」がないため、患者さまが困っていることにつけこんで法外な手術費用を請求する美容外科医も一部いますのでお気を付け下さい。
青や黒はレーザーで薄くすることは可能ですが、それ以外の色をレーザーで消すことは困難です。レーザー治療は複数回の治療が必要で、範囲が広いと高額になります。たとえ薄くなってもデザインの通りにヤケドあとのようになります。
切り取って縫い縮めたり、皮膚移植をする方が確実に刺青を除去できますし、治療期間が短く、費用も安く済みます。
欠点として何らかのキズあとが残ります。
理想的な刺青切除は、まっすぐな「1本のキズにする」ことですが、皮膚のゆがみ(ドッグイヤー)を少なくするため「Y字」やジグザグのキズにすることもあります。
1本のキズにできない場合は「皮弁形成」が必要なこともありますし、範囲が広いと皮膚移植が必要になることもあります。どのような手術でも数ヶ月~数年かけて徐々に薄くなってはきますが、何かしらの傷あとや多少の凹凸は残ります。刺青除去の範囲、術式によって料金は異なりますので詳細はお問い合わせください。
当院では広告に費用をかけず、保険診療の合間で診療しているため、どこよりも安い料金設定にしています。
手術時間 | 30分ー120分 |
手術費用の目安(保険3割負担として自己負担分) | 「自費診療ページ」参照 |
術後の通院 |
①術後翌日(不要なこともあります)②1週ー3週で抜糸 ③継続処置,経過観察 |
術後合併症・リスク |
「自費診療ページ」参照 |
1.シミ(日光色素斑)
いわゆるシミにはいくつか種類があります.そのうち前述した脂漏性角化症は当院でも治療していますが,日光色素斑はまず他院でQスイッチレーザーによる治療をお勧めします.レーザーをご希望されない場合は,当院でハイドロキノン・トレチノイン外用療法が可能です(保険外).
2.肝斑は主に頬にできる左右対称性のしみで,女性ホルモンのバランス異常によって出現すると言われています.閉経後に改善する傾向があります.トラネキサム酸内服(薬局で購入可能)やレーザートーニングという治療が有効ですが,当院では行っていません.
3.遅発性太田母斑は肝斑に似ていますが,多くは思春期以降に出現し,大粒のそばかすのように見えます.Qスイッチレーザーが有効ですが,当院では行っていません.
4.太田母斑は生まれつき,あるいは思春期前後に濃くなってくる青あざで,左右どちらかに出ます.眼球(白目部分)が青い場合もあります.同様にQスイッチレーザーが有効です.
以下、作成中です。もうしばらくお待ちください。
北千住クリニック形成外科・皮膚科
〒120–0026 足立区千住旭町4-11西村ビル4F (北千住駅東口前ロータリーに面す) ℡03-6806-1177
あなたもジンドゥーで無料ホームページを。 無料新規登録は https://jp.jimdo.com から